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九鬼（志摩）

くき【大名】


[九鬼（志摩）]
【出身地】紀伊国牟婁郡九鬼浦（三重県尾鷲市九鬼町）とされる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【本拠地】志摩国英虞郡波切
【家祖】不明。九鬼隆真？九鬼（藤原）隆信？
【本姓】熊野別当氏の一族という。藤原氏後裔とする説もある。
【略歴】南北朝時代以降に水軍として志摩・伊勢で活躍した豪族。志摩国英虞を拠点として水軍力によって伊勢にも勢力を伸張。戦国時代、嘉隆は小土豪を抑えて頭角を顕したが、北畠氏に敗れて潜居ののち、伊勢攻略に乗り出した織田信長に幕下に入り、石山本願寺攻めの際には鉄張の船六艘を主力として水軍を率いて毛利水軍を破り、その功あって、志摩・伊勢に3万5千石を領知した。信長の死後には豊臣秀吉に仕え、朝鮮出兵では水軍の先鋒となって功を挙げた。関ヶ原の戦いでは、嘉隆は西軍に属して自刃したが、子・守隆は東軍に属して氏家純利を破るなどの功を挙げ、鳥羽城を安堵され、5万5千石に加増。のちに、守隆が摂津三田藩、その子・隆季が丹波綾部藩に分封され、それぞれ立藩して明治にまで至った。藩主家は明治17年子爵となった。現在では、熊野本宮大社宮司をつとめる子孫をもつ。