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倭国造（倭）

やまとのくにのみやつこ【国造】


[倭国造（倭）]
倭国（大和国、現・奈良県中央部）を統治した最初の人物は倭直（やまとのあたい）部の始祖・倭宿禰命（やまとのすくねのみこと）とされる。倭宿禰命の別名に椎根津彦・珍彦（宇豆彦）・槁根津彦・神知津彦等があり、神武天皇及び海部氏に縁のある人物として「日本書紀」「古事記」等に名が登場している。有力な伝承としては神武天皇（1代）の東征の際に速吸門（はやすいのと、現・明石海峡？）で大和への海路を導いた功により倭国造となり、大和王権成立に貢献し、大和王権初期の有力豪族となり主要な地位にあったと考えられる。彼の出身には諸説あり、倭宿禰命の母神・伊加利姫（井光（ゐかり）姫）が大和・吉野の国神である説、椎根津彦の名から百済系渡来人だとする説、槁根津彦は槁（さお）を出し舟に乗せたことによる漁師説、珍彦（うずひこ）の名から畿内で勢力を張った海人族＝宇治族とする説等がある。