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松尾多勢子

まつおたせこ


[松尾多勢子]
1811-1894
幕末期の尊皇派女性志士。信濃国伊那郡山本村(現在の長野県飯田市)出身。19歳で結婚して7人の子を育てながら和歌や平田派国学などを学び、1682年(文久2)に尊皇攘夷運動に参加した。後に、天誅組や水戸天狗党の伊那地方における支援者として活動し、上洛して岩倉具視に仕え、新政府関係者との連絡調整役として活躍した。新政府の確立を見届けた後は伊那郡に帰り、地元で農業や養蚕に励んで晩年を過ごした。1894年(明治27)、84歳でその波乱の生涯を閉じたが、当時の信濃一帯では広く知られた存在で、島崎藤村の「夜明け前」にもその名が登場する。