樺細工(秋田県)
かばざいく
[樺細工(秋田県)]
秋田県仙北郡角館町で、ヤマザクラ類の樹皮を用いて作られる工芸品。渋くて奥深い色合いが特徴。安永年間から天明年間(1775~1783)にかけて藩の手厚い庇護を受けて発展した。当時は下級武士の手内職ではあったが、侍らしく妥協を許さない一品入魂の作風で、印籠、眼鏡入、根付、緒締などの製作を手がけた。昭和に入って、柳宗悦らの指導の下に行われた日本民芸館における伝習会での成果が、今日の樺細工の礎を築いたともいわれている。代表的な製品として茶筒・茶櫃などのお茶道具類、文箱、茶だんす、ブローチ、タイピンがある。