浄瑠璃

じょうるり


[浄瑠璃]
日本の伝統的な音曲 (音楽) の一種で、三味線を伴奏として太夫が詞章を語り、本来はこれに操り人形が加わる芸能です(人形を加えない流儀も多い)。詞章が単なる歌ではなく、劇中の人物の台詞や仕草・演技の描写も含むため、語り口が叙事的な力強さを持っており、このため浄瑠璃の口演は「歌う」ではなく「語る」という用語を用い、浄瑠璃系統の音曲をまとめて「語り物」と呼ぶのが一般的です。室町時代に誕生した語り物の中に、牛若丸と浄瑠璃姫のロマンスを題材にした物語があり、人気を博したことから、浄瑠璃の名が定着しました。江戸時代に入り、浄瑠璃史上の一時代となるほど成熟し、義太夫節・豊後節・清元節など多くの流派に分かれ、特に大成した義太夫節が浄瑠璃を指すこともあります。「文楽」は、現在では人形浄瑠璃の代名詞的存在であり、世界無形遺産・重要無形文化財になっている一派です。