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白河天皇

しらかわてんのう


[白河天皇]
1053~1129
平安時代の第72代天皇。在位14年ほどで幼い堀河天皇に位を譲りましたが、天皇が成人した後も権力を手放さず、自らは上皇として院で政治を行う院政を敷きました。権力者である藤原氏の摂関政治を抑えるために、受領層(国司となって地方に下った中流貴族)や武家出身の近臣を登用して専制的な政治を行い、荘園整理などに力を入れて藤原氏の権勢を弱めることに努めました。また、院の警備をする「北面の武士」制度を設けましたが、その武士のなかから源氏や平氏のように力をもった一派が台頭し、後に、天皇や貴族の政治から武士の時代へと変わっていく起因となりました。多くの寺を建立し、高野山や熊野三山にもたびたび参詣するなど仏教を深く信仰し、最終的には自らも出家して法皇となりました。財政は悪化し、寺院を優遇したために僧の兵が強大になって政治は混乱しましたが、77歳で亡くなるまで3代43年にわたって院政を敷きました。このように、政務の実権を君臨した上皇、又は天皇を「治天の君」といいます。