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県民性一覧

北海道・東北
北海道 郷土愛は日本一。先祖伝来の地を離れて極寒の大地にやってきた人々はおおらかな気質で、「三日住めば皆、道産子」と旅人にはやさしい。「いんでないかい」などの言葉はどことなく温かみがあり広大な大地を感じさせる。雪と戦いつつも陽気で楽天家、時に大陸的なアバウト気質が、相手かまわず思ったことを口にする鈍感さに変わる。道民は本州以南を「内地(ないち)」と呼び、旧前松藩(江差)の人々は、江差以外を一様に「奥地」といい、深いこだわりを見せるが、もはや北海道にクラーク博士の志、フロンティアスピリットなどは存在しない。が、残ったものもある、開拓時代に過酷な労働に耐えたことで生まれた、女性の主導権。なお、札幌はみそラーメン、旭川は醤油ラーメンでライバル意識を燃やし、譲らない。
青森県 「ラッセラ、ラッセラ、ラッセ、ラッセ、ラッセラー!」。縄文時代の繁栄は忘れない。県民の誇り、栄華を誇った十三湊は謎だらけ。南部藩から家臣が謀反を企て独立した西の津軽と東の南部は歴史的に犬猿の仲。おしゃべりの津軽人は働き者で辛抱強い性格だが、負けても強者には絶対に頭を下げない世渡り下手。南部人は寡黙で温厚な性格だが、これもまた主張を曲げない。どちらも「じょっぱり(強情っ張り、意地っ張り)」だが、津軽の場合は周囲を確認して意地を張り、南部は自分の気持ちが許さないから意地を張るという、酒が入ろうものなら手がつけられず、抑圧されたエネルギーがねぶたで爆発する。なお、弘前の「ねぷた」に対し、青森の「ねぶた」でこれも微妙な関係。
岩手県 雨にも負けず・・・誰もが心に宮沢賢治。「遠野物語」、「望郷と漂泊の天才詩人」とリンクする。古くは奥州藤原氏・平泉。禁欲的といわれる禅宗の信者が多く、総じて自尊心、倫理観が強く、古典的・伝統的な価値観を重んじる気風。山沿いの住人は辛抱強く、沿岸部は気性が荒い、どちらも寡黙で真面目な努力家。不器用で、部外者に対して警戒心が強いが、打ち解けると押し付けがましいくらい親切である。まるで、これでもかと畳み掛ける「わんこそば」のようである。座敷童子の伝承が出世の秘訣で、多数の総理大臣を輩出した。豪腕、「沈深牛の如し」。
宮城県 「松島やああ~」。牛タン、牡蠣、フカヒレ、ササニシキ、冷やし中華・・・「食材王国・宮城」、土地が豊かだったせいか、ノンビリして、あくせくしないおおらかな気風で、スローフード宣言。杜の都は自分の蓑笠のことしか考えない個人主義で、淡白でさっぱりした、あきらめが早い都会人風。社交的で好奇心旺盛な目立ちたがり屋は独眼流、酒はウイスキー。脱・東北のイメージが強く、枕詞は「東北にしては」だが、田舎者呼ばわりされると鷹揚に構える気風に火がつく。短冊に書く願い事は、打倒コシヒカリ。
秋田県 やっぱり秋田は色白美肌の秋田美人、脚の長さも日本一。日本一よく眠る平和主義者だが、その実、一皮むけば「秋田の着倒れ、食い倒れ」といわれる、江戸時代以来のバブル気質、自殺率もブッチギリ日本一。当然、貯蓄高は低いが、酒は「爛漫、高清水」、のんびり楽しく飲めばいい。新しいもの好きの見栄っ張り、負けず嫌いな性格で「コシヒカリ」には「あきたこまち」で対抗。がつがつしない半面、腰が重く、優柔不断な為か、「人らしき人の出ぬ国」。
山形県 「五月雨をあつめて早し最上川」。お米は「はえぬき」、そして芋煮会、美人の産地で庄内おばこ。庄内は最上の下風に立つことを嫌う。盆地ごとに閉鎖的な人脈を形成し、一般的にはなかなか打ち解けにくく、家族の絆が最優先事項の血縁派。情に細やかな気質で、男性は地味で厳しく誠実な理論家、「野暮で誠実」と評した者もいる。女性は積極的で明るい世話女房タイプ。「嫁をもらうなら山形の女性」といわれるほどで、粘り強さは「おしん」そのもの。事実、共働き世帯の比率は高い。米沢藩の上杉鷹山の倹約政策で有名だが、その反面、見栄っ張り根性も強烈で冠婚葬祭は派手である。甲子園制覇が県民の悲願。
福島県 冗談の通じない保守王国だが、転勤族は「都落ちに泣き、会津の人情の細やかさに泣き、会津を偲び泣く」(会津の三泣き)、「宝の山よ~」。沿岸のいわき・相馬の浜通り、内陸の郡山・福島の中通り、そして会津若松・喜多方の会津と性格は異なる。浜通りは、さっぱりした気質だが、少々荒っぽい。中通りは、地味ながら外向的で、いつも絶好調!。会津は閉鎖的だが、情に厚く正義感が強い。共通するところは生真面目で、思い込んだら頑固一徹。宿敵は長州人、江戸の因縁は消さぬ会津魂、白虎隊の悲劇は忘れない。
関東
茨城県 「いばら・キ」です。語尾の上がる独特のイントネーション、「この紋所が目に入らぬか~住宅の敷地面積は日本一だっぺ」。「怒りっぽい、忘れっぽい、あきっぽい」の「茨城の三ぽい」だが、水戸藩士は、潔く、脱藩して自らの思想に殉じた「骨っぽい」気質を持ち合わせた行動派。無愛想でお世辞は言えないが、飾らないストレートさがあり、陰湿なにおいはない。短期で直情径行な気風があり、その代表例が天狗党。昔から政治がらみのダティーな事件が多い、とはいえ、大プロジェクトは必ず成功させるから、一目置かないわけにはいかない。
栃木県 自慢は餃子とカクテル。関東における事実上の最高学府は、ここ「足利学校」。関東武士のふるさとで、東北と一線を画した関東意識をもつ。好きなギャンブルはパチンコで、冒険心が薄く、比較的穏やか。騒ごうが何しようが「人は人、自分は自分」とクールに受け流し、物事をすべて見透かしたかのような無関心主義だが、話し出すと強烈なイントネーションが素朴で正直者であるが故の栃木的不器用さと相まって、味わいのある人柄をさらに際立たせる。尊敬の対象は二宮尊徳、まさに「いぶし銀」のお国。
群馬県 男勝りの女房が稼いだ金を、幸雄、成浩、貢、智也・・・に投資する。ピンと来なければ、平和、三京、西陣でどうだ!極め付けは国定忠治だ!この国には、「かかあ天下とからっ風」という言葉もあるが、オヤジは車だけは譲らない、新しいもの好きで「新車は群馬で売れ」という格言まで存在する。追い込まれても啖呵を切るその心意気は、江戸っ子の理想像ともされる。お国自慢の「上毛カルタ」に「雷雨と博打は上州の華」ってのはどうだんべぇ。気性が荒く、飽きっぽく、女性を含め敬語は存在せず・・・だが、義理人情をことのほか大切にするこの国は、「生き神」と祀られている中居屋重兵衛などの上州商人や多数の総理大臣を出現させ、その恩恵を受けてきた。が、先どうなるか・・・そう、丁半博打である。
千葉県 気候が温暖で肥沃な土地を持つ紀州と阿波の飛び地。江戸っ子言葉に少々東北訛りを味付けした標準語、南京豆の行商人と潮干狩りの国。小技策士の内房ではベイエリアの一角とも言う。国際空港やねずみのテーマパークも決まって枕詞・「東京」、「よそ者」が多く郷土意識をもたない故、そんなのお構いなし、楽しい人生を目指し、ゴーイングマイウェイ、そして食は即席ラーメン、もちろん選挙には行かない。平均的な日本人の道徳観念やモラルとは無縁で、独特な思考回路と得体の知れぬファジー気質が、「チバリーヒルズ」なる言葉まで生み出した。とはいえ、ミスターを出現させた国だから、南国的な明るさ、豪放さをもち、気っ風も良い、さらには何でもOKという桁外れの寛容さをもつお国柄。
埼玉県 本来、「木質の古俗」、「闊達にして気広き」、武蔵野の農村、近江商人が腰を据えた魅力的な土地。東京と隣接する悲劇から、大量の新住民が流入して形成された玉石混合地帯。団結力に欠け、郷土意識の低さは日本一、海外では皆「I am from TOKYO」、もちろん出世すればこの国を飛び出し、山の手辺りにお引越し。新住民は「ダサい玉」を笑い飛ばす度量を持ち合わせず、といって都会人になり切れず地方人として開き直りもできない曖昧な県民性。浦和は都会意識が強い故、普段口にしない郷土愛を「WE・ARE・RED's」と置き換える。まさにクレヨンしんちゃん的、新平均的日本人。が、真面目でやることはやる気質が脈々と受け継がれ、好人物が多いと評判、そして最後はこの国の魅力に気付いて、皆、戻って行く。
東京都 「大江戸は人の掃き溜め」。三代住んだら江戸っ子は、文明開化に飲み込まれ疾うの昔に消滅。優越感から生じる妙な素直さを特徴とする現代江戸っ子は「粋」を実践しようと試みるが、虚栄心が透けて見え、滑稽な笑いを提供する者と化した。若き東京人は因習に捕らわれない気風を育て、意識的か無意識か上辺を飾った東京的スマートさを実践する。葵の紋には滅法弱く、骨太のバイタリティーは育たず、バランス感覚だけが発達し、人情の機微に鈍感で口舌と立ち回りを武器とした実利主義者、雷同性が強い故の最先端を追っかける強迫神経症の病魔に侵された者が生き残り、理想家は育たない。貪欲なほど受容性が強い現代の都では、同情せずにはおれぬほど競争が厳しく、この上なく神経を擦り減らす環境で、「雅」とは程遠い生活を強いられるため、否が応でもタフになる。全てにおいて質が高く、多様性があり、選択肢が広い故に、自己の可能性と存在を見出すために皆、都に上る、古今それは変わらない。
神奈川県 「赤い靴~」、文明開化の発祥地で、どことなくハイソな印象を受ける港町・横浜。風光明媚な湘南は今や若者ブランドと化し、誇り高き鎌倉は一線を画す、大人の箱根の影は薄く、平和な相模は無関心。異国情緒に恵まれたハマっ子は、自由で保守を好まない気風であったが、権威への反骨精神は消え、従順な平均的サラリーマン体質に変貌。寛容だがやや斜に構え、相手によって手のひらを返す得意技だけは今なお健在。ブランド志向が異常に強く、都会的センスを重視するイメージ先行型。東京への対抗意識は強烈だが、そこに屈託や気負いが見えないところは、さすがハマっ子である。
甲信越
新潟県 ごめん下さい。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。雪国だけど東北じゃない。北陸?いや、酒と美人の名産地・「新潟地方」。名より実をとる現実主義で信頼と実績を重んじる気風が、英雄・田中角栄を育んだ。豪雪との格闘で培われた愚直なまでの粘り強さが持ち味。「痛い」と言わず「かゆい」と言うほど、そうそう弱音は吐かない気質、「敵に塩を送った」景虎譲りの仁義を重んじる気風、米百俵で知られる人間教育が脈々と受け継がれ、謙虚でひたむきな姿勢、全てに古き良き日本の香が宿る。が、雪深く、人情と地縁の充満地帯で、融通が利かない律義な性格が禍して、自殺率は異常に高い。時に愚直なまでにお酒を勧めるのでご注意を。
富山県 加賀百万石の搾取に耐え抜いた土壌を持つ。保守でありながら新しいことを黙々と取り入れる気質。「富山の置き薬」は「陰気にして智あり」、積極性と計算高さが時に、ドライでえげつなく「越中強盗」とも揶揄される。家長制度を重んじ、家を建てることで一人前「越中の一つ残し」といい、半人前で大口を叩く輩を極端に軽蔑する。「だら~」と思うのである。浄土真宗王国で、読書時間は日本一、真面目、勤勉で素朴であるが腹に一物あり、めらめらとした蜃気楼が如き鬱憤は、我慢が限界に達すると爆発する。そう、米騒動の発祥地である。
石川県 県民の悲願は新幹線。「加賀は天下の書府なり」。調和と伝統を重んじ、文化的な暮らしを好み、穏やかで趣味を大切にする。全てにハイブロー故に、祝いの席で金箔を乗せて食べる文化まで生み出した。争いを好まず、人当たりが良いが、イザというときの決断力や気概に欠け、結局何もしないことから「加賀乞食」とも揶揄される。百万石以来の役人崇拝気質で、おっとりしていて、加賀の狸は起きることがない。能登は、人情味に溢れ、よそ者にも優しく「能登はやさしき土までも」と言われ、お高い金沢とは趣を異にする。なお、金沢に行くときは、弁当忘れても、傘忘れるな。
福井県 どこか人と違うオリジナリティーを求める、めがね王国。。時に人を裏切る商人魂は、「越前詐欺」と陰口を叩かれるが、物怖じしない、情報に敏感、抜け目なさ、変わり身の早さ、駆け引きの上手さ・・・貯蓄癖はあるが勝負所ではドンと行く度胸、全てが社長向き。おまけに破産すれば、自殺の名所・東尋坊が待っている。女性は働くのが常識という近代的思想を持つ土地で、普段からお洒落に和服を着こなし、結婚式では着物の見本市と化す雅なお国柄。紫紺色の海から揚がる越前ガニが、それに花を添える。
山梨県 「元気甲斐~」。富士山のように独立心が旺盛で、勤勉で粘り強く人一倍の働き者だが、黙って耐えるタイプではなく、自己主張が強い、おまけに無駄な努力は大嫌い。信玄以来、「人は石垣、人は城」、義理人情に厚く上下関係を重んじ、仲間意識は強烈、要するに閉鎖的な縦社会。甲府商人が「通ったアトはペンペン草も生えない」と言われるほど、お金にシビアで、執念深く、細かいことにも拘る「メッチャカもん」の伝統を持つが、根は案外単純で実利だけを考えているともされる。相手にした際は「記憶にございません」と連呼し、それで駄目なら「今日は、無尽があって・・・」と答えれば開放してくれる。
長野県 「信濃の国は、十州に 境連ぬる 国にして~」。「木曾路はすべて山の中・・・」、小さい山は丘と呼ぶ。寺子屋以来、教育県としてのプライドは今も顕在。北信(長野)は閉鎖的で、南信(伊那)へ行くほど開放的、温和になって行く。どちらも勤勉、まじめ、頑固、四角四面の議論好きで、酒の席でもそれは変わらない。理が立ちすぎ柔軟性、協調性に欠け、ユーモアを解する余裕に乏しい。他県の人には冷淡で、その時限りの「善光寺商法」とも揶揄される。倫理観が強い故に、筋はびしっと通す、その影響か、江戸期には百姓一揆が頻発。県庁を奪われた中信(松本)に至っては、新県庁を焼き討ちする凄まじさ、これがペルソナの陰に隠されている本当の信州人か。芭蕉は、反逆性に満ち、着飾らずに全てを剥ぎ取った木曽義仲に、本物の信州人を見たか。
東海
静岡県 サッカー王国。「ちびまる子ちゃん」的、平均的日本人像で、先行発売のリサーチの対象国。精力的で新しモノ好きのちゃっかり遠州、勤勉でのんびりしたノホホン駿河、温暖な気候で何もしない伊豆。食えなくなったら、遠州は「泥棒をする」、駿河は働くより「乞食をする」、伊豆は乞食さえせず「餓死する」といわれている。全般的に、気負ったところがなく、順応性が高く、常識人で敵が少ない。熱しやすく冷めやすいが、立ち直りも早い。反面、強い信念や統率力はなく、優柔不断な印象は否めない。が、ヤマハ、ホンダ、スズキ、カワイなどの企業は、好奇心、想像力に満ち、「やらまいか精神」があり、海外雄飛の伝統が受け継がれている。静岡県人には、日本は狭すぎるのかもしれない。
岐阜県 「美濃を制するものは、天下を制す」。天下分け目の関が原が位置する日本のヘソだが、県内に東海道が通っていない不思議さ。ま、いいかを信条に騒がず動かず。美濃っ子は、飾らず堅実、人当たりは良いが、よそ者には警戒心は解かず、決して腹の内を見せることはない。それが視野が狭いように映り、「輪中根性」なる言葉を生んだが、そこに悪気は存在しない。要領が良く、目立とうともせず、感情的にもならないから、外面で接していると見抜けない。飛騨や郡上は、律儀、素朴、頑固、どこにも行かず、何もせず、自然のままに生きている、貴重な存在。最後に一言、今の柳ヶ瀬にブルースは似合わない。
愛知県 「尾張名古屋は城でもつ」。車は、タンスから引き出し、キャッシュでTOYOTAです。頼まれてもローンは組みません。バブルってなんですか?目に見えるモノしか信じません。朝は喫茶店で「お値打ち」のモーニング。尾張の信長・秀吉、三河の家康と三人も天下人を出しながら、自分の利益にならないことには見向きもしないドライさが、おおいなる田舎に甘んじさせる所以。尾張は、自意識過剰でありながら、お上には楯突かず、全てを冷めた目で見る。三河は、辛抱強く包容力もあるが、名古屋の排他的なイメージに飲み込まれている。乾いた雑巾を絞るような貪欲な合理主義、強烈な個人主義だが臆病者である故か、はみ出したことを極端に避ける風習により、チームワークを必要とする製造業では天下を取った。が、同郷人でつるむ癖は直らない。
三重県 「江戸名物は伊勢屋、稲荷に犬のクソ」と呼ばれ、江戸を席巻した伊勢商人、ときにその手堅さから「伊勢乞食」とも揶揄されたが、お国柄と同様に実直な伝統を持つ。「伊勢は中でもつ」と言われ、何事も中庸を好む円満社会。お人好しで温厚な楽天家が多く、「その手は桑名の焼き蛤」って駄洒落を交えながら、のんびりと伊勢参り。一方で、角屋七郎兵衛、大黒屋光太夫、松浦武四郎、河村瑞賢等、狭くるしい陸地を離れて大海原へ飛び出したスケールがどでかい人物も輩出している。ところが、船酔いには強いが、酒には滅法弱いと言う、これまた、中でもつ。なお、苗字に服部さんは多く、松尾さん、三井さんは少ないようだ。
近畿
滋賀県 「琵琶湖のアユは外で大きくなる」。滋賀県人の象徴、近江商人は「買い手良し、世間良し、売り手良し」の「三方よし」商法。勤勉、積極的で粘り強く、算盤上手で、甲賀忍者と同様に結束力がある。禁欲であり、自分だけ儲けようとしないが、その商才を江戸っ子から妬まれ、「近江泥棒」とも揶揄された。ただし、腹の底をなかなか見せず、おしなべて油断はならない。物腰の柔らかさの陰に、強い意志を隠し持ち、勝負所ではドンと行く度胸も兼ね備える。この国は、信仰心が厚く、新居は仏壇の位置から決めるともいわれるが・・。ハイ、CM!。
京都府 江戸が三代なら、京都は十代。「この前の戦」とは応仁の乱を指すというお国柄。イチゲンさんはお断りドス。カモの足元を見て「オイデヤス」に始まり、湯豆腐を食わせるだけで勿体付け、婉曲な表現で小馬鹿にしながら、弱みを見せるとトコトンつけ上がり、実力本位の狼藉者と見るや、柔らかい口調で必殺技・「カンニン」を繰り出す、そして、ほくそ笑みながら「オオキニ」で締める。古くは「京の着倒れ」、現代も身だしなみには気を使うところは、揺るぎない都人の誇り。ところが、分別ゴミはアパウトらしい。気に入ったものは躊躇なく取り入れる進歩的な頭脳を持ちながら、せかせかしたところが全くない、そこは都人、一味違う。
大阪府 天下の台所、お奉行様の名さえ覚えずに年暮れぬ。道を譲らず、信号は守らない、歩くスピードは世界一。値切り倒すがケチにあらず、ボケながら突っ込みながら、駆け引きを楽しみ、コテコテと相手を振り回す。河内、泉のド迫力は、冗談か現実か分からず、隙を見せれば畳み掛けられ、意を決すれば空かされる。図々しく、がめつく、口は悪く、いらちが影響してか、平均寿命は短い。バイタリティーは他県を圧倒し、海外であろうがお得意の関西弁でぶった切り。「ええカッコし」が大嫌いで、本音を剥き出しにする、弱点は情に脆いところ。何もかも東京とは対照的だが、儲かると見るや躊躇なく、東京に移転する。どうしても気に入らない相手には無口にもなるというが、その前に手が出ている。殴った後に「ええかぜんにせな、殴るで!」だって、おもろい国やで~。
奈良県 「大和の建て倒れ」と言われるモノ持ち天国は、猿を調教して稼ぐようなことはせず、鹿を放し飼いにする、悠々自適ぶり。「大和の寝倒れ」というようにのんびりとした気質だが、観光客(カモ)を見るや豹変、「大仏商法」の仮面を被り、待ちの姿勢を保ちつつ、目先の金に執着する。寛容で順応性に富み、開放的だが、攻め込まれた経験が少なく、体を張ったアプローチには滅法弱い。おっとりしていて、人間関係も穏やかで、コンプレックスやストレスとも無縁、養子にするならもってこい。だが、やはり古都、田舎扱いされると猿のように向きになる。三都物語のメロディーを聞けば、なおさらだ。
和歌山県 紀伊の語源は「木の国」。紀北は、大阪を横目で見ながら、機敏に立ち回り、徳川由来の勤倹貯蓄で一度手にしたお金は放さない、自慢は松下幸之助。紀南は、素朴だが情熱的で、義理人情にも厚く、自慢は紀伊国屋文左衛門、弁慶。共通の自慢は八代将軍吉宗で、どちらも温厚、進取の気性に富み、勇敢で豪快さを持つが、小粒の打算が発達し、日和見なところがある。神話の時代から神々が鎮座する地、「古式捕鯨」・「フレーザー河に鮭が湧く」その言葉には、本物の海のロマンが漂う。行ってみたいが、高速道路がない。
兵庫県 神戸体操始め~。「神戸牛・三田牛・但馬牛、、珍丼亭」・「揖保乃糸」・「異人館」・「姫路城」・「宝塚歌劇団」・「明石焼」・「播州算盤」・「ガンバロー神戸」・・・どこまでいっても県名が思い出せない、あっ、そうだ~「水族館、ゴルフ場・・・ボーイスカウトの発祥の地」、「KOBE」県だ。五つの顔を持つ多様な地域性。播磨・摂津地区は人当たりが良く、社交性があり、都会的スマートさを大切にする理想の高いナルシスト。やや浮気性の風見鶏。丹波・但馬方面は素朴で生真面目、忍耐強く芯が強い。淡路は開放的で互扶助的優しさがある島民気質。日本屈指の酒どころ、「灘」、酒が入ってら思い出した、「兵庫県」だ。
中国
鳥取県 「月の砂漠を~」。「雨の因幡」(鳥取)は素朴で忍耐強いが、引っ込み思案で社交性に乏しい。「風の伯耆」(米子)は陽気、活動的でアッサリとした商人気質。共通は、勤勉、純粋な性格、妖怪の数が多いのも特徴。「煮えたら食わぁ」的気質が官僚に向くのか、輩出率は他県を圧倒、想定外の出世をすることもあるが、特筆すべき特徴はなく、理由も不明、このあたりが鳥取色を出さない鳥取人の気質。軽自動車所有率日本一、なのに不思議に道路は広い。
島根県 「八百万の神のおわします出雲の地」。東の出雲(松江・安来)は、閉鎖的、保守的でズーズー弁と相まって、腹が見えにくく、「言語明瞭、意味不明瞭」、「そうだわね~」のように掴みどころがない策士を出現させたが、無表情の影に強烈な自我意識が存在する、まるで茶道が如し。西の石見は、開放的でサッパリした商人気質、「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」(森鴎外)。隠岐は、素朴、親切で団結力も強い、独立精神旺盛で革新的なことにも目を向ける。共通は、バランス感覚が鋭敏、勤勉で我慢強い働き者。縁結びの神が見守るお国は、さすがに離婚率は低い。
岡山県 「桃太郎さん、桃太郎さん~」。吉備王国、古代のロマンをかき立てる。「晴れの国岡山」は、陽気、快活で人当たりは良いが、利発で機を見るのに敏である故に、人情より打算が優先してしまう、悲しい性。冷静に分析し、負け戦は避け、相手が油断した時に出し抜く、それもポーカーフェースで。先進性に富んでいる故の離れ業、それを合理的というクールなお国柄、そのあたりに知的レベルが高さが覗える。しかし、カツ丼にデミグラスソースをかける知的レベルには、さすがに付いていけない。
広島県 「酒よし、魚よし、気候よし」、おまけに「仁義なきおたふくソースよし」の「天国にいちばん近い島」。フロンティア精神に富み、海外移住者数は日本一。「安芸」(広島)は、新しい物好き、派手好きで、細かいことが苦手で大雑把、何事にも後先考えずにクールに突っ走る、底抜けに陽気な楽天家。熱狂し冷めやすく、淡白で諦めが早く、途中で放り出すことがあるので要注意。「備後」(福山・尾道)は、誠実でお人好しであるが、合理的で商売に強く、実利的な人が多い、飽きっぽいところも。ともに愛郷心が強く、政界の暴れん坊はITの風雲児を一蹴、「ここはワシのシマじゃけぇんの~」。
山口県 明治維新の痩せた主役は、今も昔も政治がお好きでござります。長州あっての近代日本というプライドを持ち、「長州の小提灯」といわれ、一人一人自分の提灯を持つ自己中心型。極度に理論的、自己顕示が激しく、情熱的に天下国家を語る理想主義者。が、一方で、奇兵隊に象徴される身分の枠を超えた国家運営など、鋭敏なリアリズムが感じられ、お得意のハッタリをかます裏にも、用意周到な根回しが存在する。近年、おとなしい人物が多くなったという、会津に頭を下げるような長州人ではつまらない。「動けば雷電の如く発すれば風雨の如し、衆目駭然、敢て正視するもの者なし」。
四国
徳島県 「踊るアホウに見るアホウ、同じアホウなら踊らにゃ損々」。「阿波言葉は京流れ」、勤勉で、働き者、底抜けに明るく、お人好しの表情も持ちながら、抜け目なく、打算的、腹を割らない「へらこい」風土で、潮の流れを読む処世術をもち、損得勘定に長けている。尾張藩譲りの質素倹約で、コツコツとした堅実な生き方をするが、絢爛豪華な阿波踊りで爆発、本来の開けっぴろげな気質が拍車をかける。そんな国には、働き者の阿波女にはのんびりした讃岐男がぴったり!「讃岐男に阿波女」。男踊りの滑稽さは南国特有の怠け者そのもの、あ~踊りたくなってきた、「ヤットサーヤットサー」。
香川県 高学歴で早婚傾向がある女性が、のんびりしてどこか頼りない男性を製造する構造。人付き合いが良く、器用で要領が良く、協調性に優れ、敵を作らず、トラブルも起こさない優等生タイプ。「へらこい」といい、ずる賢い、抜け目ない気質だが、徳島のそれと違い、本音を隠し続けるほどのしたたかさはなく、自嘲の言葉として扱われる。新しい物好きで積極的であるが、「讃岐の猿真似」といい、オリジナリティはなく、はみ出したり取り残されたりするのを嫌う、故か、教育水準は高い。が、どこか闘争心やしぶとさに欠け、「讃岐に大将なし」。運転だけは闘争心に満ち溢れるお国柄、あっそそ~「セルフの店」は、GSではないので間違えないように、飲みところですから。
愛媛県 古事記に見える「愛比売(えひめ)の国」。東予(新居浜・今治)は積極的で処世術に長けている。中予(松山)は堅実、俳句を嗜み、「坊ちゃん的」でおっとりしている。南予(宇和島・八幡浜)は陽気でカラッとした新しモノ好きで、真珠の養殖日本一。全体に共通するのは、「なま暖かい言葉」が南国的なおおらかさを際立たせるが、芯は強く、納得しないことには絶対同意せず、それも些細なことに理屈とも思える主張を繰り返すところ。と思えば「伊予の駆け出し」(人の話が終わらぬうちに興奮して先走りする。おっちょこちょい)で、何とかなるさの超楽天家。のんびりした温泉気質で、いよかん食べて、梅錦、そして豪快に野球拳、一度突っ走るとなかなか止まらない気質が拍車をかける。
高知県 「なめたらいかんぜよ」。男は「いごっそう」(頑固一徹、強情)、女は「はちきん」(気風が良く、行動力満点)で、反骨精神旺盛で、豪快な黒潮気質。この国の辞書には、沈着、堅実、根回し、駆け引きなどという言葉は存在しない。たとえ自分の不利益になろうとも、妥協は許さず「やるといったらやるのである」。「バカヤロー」、腹が立ったら怒鳴り、金が入ればパッと酒に使う、よさこい同様のフリースタイル。男女とも酒に強く、体を壊すほど酒を飲む、というより飲まないと生きていけない。「夜は明けたぜよ!」英雄が発した言葉は、もしや別の意味だったか。
九州・沖縄
福岡県 「なんしよ~と~?」。九州の玄関口は結構ヤバイ。インスタントラーメンを二分で開けて食べ、辛子明太子食べて頭に血が上る、凶悪犯から知的犯、少年犯罪まで全国トップクラス。筑前は、人懐こく、開放的なタレント気質で酒好き、派手好き、祭り好きの「花奢」(遊びに金を惜しまない)、ただ熱しやすく冷めやすい。見栄っ張りで出しゃばり根性があり、物怖じせずに長々と博多自慢をする癖がある。筑後は、金銭感覚に敏感、粘り強い性格、封建的だが都会的スマートさを持ち、世界に目を向けながら地元に固執する。豊前は、保守的で計算高いとも言われるが、表裏のない陽気な性格で気性は荒い。筑豊は、言葉も行動もすさまじく荒く、刹那的行動、義理人情が支配する「川筋もの」(弱い者を助ける任侠肌、親分肌)。なお、豊前や筑豊であまり筑前を持ち上げるのは禁物である。
佐賀県 「若者よ。次の日本を背負うのは君たちだ」。「薩長土肥」に滑り込んだが、なぜか地味。「葉隠」(武士道とは死ぬことと見つけたり)に象徴される南部の佐賀(鍋島藩)は、生真面目、義務感が強く、倹約な生活を美徳とする気風で、自分を律することで自己表現する故、反体制や出る杭を嫌う。理想主義で、一度正しいと思うとそれに凝り固まり、頑固一徹、融通が利かない。チャラチャラした者が大嫌いで、喧嘩を売っているのかと思うほどの佐賀弁で、「男らしさ」を強調するが、実はナイーブである。小笠原流で知られる北の唐津(小笠原藩)は海の民の気質で、開放的で豪快、発想も自由闊達。なお、県民は邪馬台国が佐賀にあったと確信している。
長崎県 「ある晴れた日に」「長崎は今日も雨だった」など歌とリンクする国。クリスチャンと坂の町、もちろんシートベルトの着用率は高い。あくせくを嫌い、陽気で遊びや趣味に重きを置く、楽天的な自由主義者。好奇心旺盛で視野は広く進取の気性に富み、あまり細かいことにこだわらない。その一方、伝統を重んじ、倫理観・信仰心が強く、精霊流しは爆竹、お墓では夜火矢(やびや)でファイアー。ばってん、「九州男児」とは無縁で、どこかルーズで、勇猛心に乏しくずっしりとした気骨が感じられない。そういえば、この国のイメージにリンクしないファイアーな先生もいた。
熊本県 「火の国」。エネルギー源は球磨焼酎。「おらあ、肥後もっこすたい」(頑固一徹で一本気、硬骨漢、義理堅い)と、嬉しそうに自慢するが、防衛本能を働かせた肝っ玉が小さい情熱家でもある。「肥後の議論倒れ」ともいわれ、議論好きであるが、ぶっきらぼうな態度で信念を通そうとする故に、議論がまとまらない、且つ一度動き出すと後には引かない。純朴である故に、小細工せず、直截に過ぎることから損をすることも多い。熊本女性は、「私は女じゃぁなか、男ですばい!」活発で芯も強く、言いたいこともきっぱりいう。それを「猛婦」と呼んだ者もいた。なお、熊本では、あまり福岡のことを持ち上げるのは禁物である。
大分県 「豊の国」。別府、湯布院、関サバ、関アジ…一村一品運動。自主独立の気性に富んだ個人主義でクールな気質を持つ九州の異端児。協調性がなく、気の利いた台詞、妙な駆け引きとは無縁で、九州男児的豪快さを演じることはない。投げやりで、面倒臭がりの「よだきい」だが、成すべき事は合理的に成し、あとは自分の時間を大切にする。照れ屋で不器用である故に、社交性に欠けぶっきらぼうな印象を与え、「赤猫根性」(ケチでがめつく、利己的)といわれるが、誠実で非常に細かな気配りができる人も多い。無原則に妥協する癖があるが、マニアックな趣味と佐賀県にだけは妥協しないらしい。
宮崎県 日本神話の故郷、高千穂の峰は天孫降臨の地。特技はバレーボール、娯楽は巨人キャンプ観戦・2時間もののサスペンスドラマ、ファッションは手ぬぐいで、居住者満足度は日本一。落ち着きのあるおおらかな気質、陽気、温和で真面目、よそ者に寛容、あきらめが早く、なりゆきまかせで、「よだき」(投げやりで、面倒臭がり)。まさに「日向ぼけ」で、フェニックスが植えてあるだけの南国そのもの。情熱的だがそれも前面に押し出さない、素晴らしく平和な国だが、気負った哲学や理想など、全てを飲み込んで土と化す、恐ろしい国でもある。武者小路実篤の「新しい村」は、自然体の前では無力であり、この国の前に挫折した。
鹿児島県 「チェストー!」「議を言うな!」。神風を送り出し、今も生きる薩摩隼人。焼酎はお湯割りでごわす。一本気の頑固者を自任する薩摩人の理想は、「ぼっけもん」(質実剛健な豪傑漢)、「おごじょ」(芯が強く控えめな女)、その象徴は西郷隆盛崇拝、大久保利通嫌い。心根は滅法優しく、理屈より行動を重んじる正統派ガキ大将、素直で内に情熱を秘め、ほっそりした女性。なかなか柔軟でしたたかな合理性ももつが、失敗を恐れずに直感的に行動し、ついつい怒ることで解決しようとする癖がある。団結心が強く、「薩摩の大提灯」とも揶揄されるが、お世辞が言えず、愚痴はこぼさず、内に秘めた闘志が爆発するととてつもないパワーを発揮する。切り花の消費量全国一で、お彼岸の時期、霊園は豪華な花で埋め尽くされるという。
沖縄県 基地には紳士に反対します。誇り高き琉球王国は、東アジアの沖縄という視野の広さをもち、セコい発想のヤマトンチュウよりアメリカ人志向。あくせくせず、なんくるないさ…、ストレスとは無縁の暮らし向きで、「ウチナータイム」という独特の時間感覚をもつ。最大の特徴はシャイ・引っ込み思案、心に潜む強い意志。ユイマール(相互扶助共同体)に代表されるように同郷意識、家族愛はとても強く、「イチャリバチョーデー」(行き会えば兄弟)がその象徴の言葉。県民所得は低く、失業率・離婚率は高いが、温かく、争わず、差別せず、寛容な心を持って事にあたる、とても豊かな国である。なお泡盛の古酒(クースー)はストレートが一番。